ある夫婦が人違いのすえ、マフィアから頼まれて汚れ仕事をしているインディアンの血を引くカナダ人ブラックバードと、イカレた若者リッチーの2人に命を狙われることになって、という巻き込まれストリーリー。あとがきにもありましたがウェインとカーメン夫妻のまっとうさが、ブラックバードとリッチーの異常さとが鏡のように照らしあって、絶妙のコントラスト。基本的にはお互い大事に思っていて理解しあっている者同士でも、疲れていたり、片付けなければならない用事があったり、気になることを抱えていたりして相手を気遣う余裕がなかったり、すると、いらぬイライラやケンカとも言えない不機嫌な小さな衝突をしたり、しますが、そういうことがどういう風に起こるか、そのときダンナはどう感じていて女房の方はどう思っているか、というのがすごくリアルに、特に女の目線から書かれていて、面白かったです。それに、人というのは個性というか考え方感じ方のクセみたいなものや相手との相性のようななかなか説明のつかないものによって複雑に関係しあっているから、こうしてくれたらいいな、というように他人は絶対に動かないのだ、いうことも自然に書かれていて、やっぱりレナードはすごい!と思いました。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
サスペンス
- 感想投稿日 : 2008年9月12日
- 読了日 : 2008年9月12日
- 本棚登録日 : 2008年9月12日
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