ZOO 1 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2006年5月19日発売)
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感想 : 1316
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乙一さんて、初めて読みました。短編が5つ入ってます。全部めっちゃ面白かった!「カザリとヨーコ」は一卵性の双子の姉妹が、一人は母に溺愛され、一人は疎まれ、虐待されて成長しているっていう、薄気味悪い設定の物語。最後の最後まで気味が悪くて恐ろしかった。「SEVEN ROOMS」は意味もわからず何もない四角い部屋に監禁された姉弟の話で、体の小さな弟は下水道代わりの溝をつたって、並んで存在している隣の部屋、更に隣の部屋へと移動する。そして7つの部屋が並んでいて、毎日順番にその部屋に入れられた人が殺されていくという超恐ろしい法則を突き止める。自分たちが殺されるのがいつなのかもわかる。他の部屋の人たちにも、その法則を伝える。事実を受け入れるしかない隣人は、手紙や、十字架のネックレスを弟に託す。別れ。生き残るために、姉が考えた賭け。恐ろしすぎる!
表題作の「ZOO」も恐ろしくて気持ち悪かった!
映画化された(?)「陽だまりの詩」だけは、少々切なく、美しい物語だったけど、やっぱりこれも自分が主人公の女性だったらと考えると気が遠くなりそうな、なんともグロテスクな話ではある。
読みごたえありました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2022年7月24日
読了日 : 2022年7月10日
本棚登録日 : 2022年7月10日

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