上橋菜穂子さんの世界は初めてです
野間児童文芸賞受賞作品
これは児童対象だけでは終わらない、大人でも充分過ぎる程楽しめる和製ファンタジー、そして純愛物語だと思います
古き日本が舞台の郷愁を誘う世界観
豊かな自然と美しい風景描写
狐や天狗の和テイストが不思議な世界へ、そして何処か子供の頃へタイムスリップしたような懐かしい感覚を取り戻してくれました
<聞き耳>の才をもった12歳の少女・小夜
怪我をした一匹の霊狐・野火を助けたことからこの物語が始まります
やがて、隣合うニ国の争いに巻き込まれていきます
小夜を一途に想い、命懸けで守る野火
野火を信じる真っ直ぐな小夜
二人の孤独で健気な燃え上がる愛を中心に物語は展開していきます
想像していたエンディングとははるかに違い、何かもの寂しい感覚でありました
小夜が選んだ生き方に彼女の温かさを感じたとともに、若干12才の少女が選んだ道だと思うと胸が痛くなる思いでした
そして、ラストにこの展開を持って来る作者の発想に脱帽しました
いつの間にか野火に気持ちを持っていかれ、読み終わって半日経った今も、野火(狐)の日向の匂いがしそうなうなじの毛並みの絵面が、脳内の50%程占めています 笑
次は何を読もうかな
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2023年9月28日
- 読了日 : 2023年9月28日
- 本棚登録日 : 2023年7月19日
みんなの感想をみる
コメント 2件
ハッピーアワーをキメたK村さんのコメント
2023/09/30
ハッピーアワーをキメたK村さんのコメント
2023/10/01