終わった人 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2018年3月15日発売)
3.79
  • (122)
  • (325)
  • (186)
  • (32)
  • (5)
本棚登録 : 2372
感想 : 266
4

内館牧子さんの作品を初めて読みました。大手銀行で役員手前まで出世した主人公、子会社の専務を定年退職したところから始まる物語。最初はプライドが邪魔をして、中々リタイア後の生活が上手く行かない。ただ、徐々に自分の立場や周囲の人の気持ちを理解しつつ、第二の人生を送り始める。ひょんなことからベンチャー企業の経営に関わり、生活が一変。やっぱり仕事をしないと充実しないサラリーマンの性を上手く、描いている。故郷に帰ってやり直そうかと思う主人公に、一人娘から浴びせられる言葉は痛烈。故郷に戻ったからって、周りからチヤホヤされるのは最初だけ。故郷に戻れば何とかなるなんて幻想。サラリーマンリタイア後の教訓に溢れていて、色々と考えさせられて面白く読めた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年8月16日
読了日 : 2020年8月16日
本棚登録日 : 2020年8月16日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする