内館牧子さんの作品を初めて読みました。大手銀行で役員手前まで出世した主人公、子会社の専務を定年退職したところから始まる物語。最初はプライドが邪魔をして、中々リタイア後の生活が上手く行かない。ただ、徐々に自分の立場や周囲の人の気持ちを理解しつつ、第二の人生を送り始める。ひょんなことからベンチャー企業の経営に関わり、生活が一変。やっぱり仕事をしないと充実しないサラリーマンの性を上手く、描いている。故郷に帰ってやり直そうかと思う主人公に、一人娘から浴びせられる言葉は痛烈。故郷に戻ったからって、周りからチヤホヤされるのは最初だけ。故郷に戻れば何とかなるなんて幻想。サラリーマンリタイア後の教訓に溢れていて、色々と考えさせられて面白く読めた。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年8月16日
- 読了日 : 2020年8月16日
- 本棚登録日 : 2020年8月16日
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