滝山コミューン一九七四 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2010年6月15日発売)
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感想 : 65
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どうして日本人は保守もリベラルもいつのまにか権威主義、異質なものの排除という方向に向かいやすいのか… 戦後史における政治の時代と団地文化を関係付けた論考はとても面白かった。

その一方で筆者も自分で書いてはいるが、「学者が自らの体験をもって語った」という構造上、そこには小さくない歪み、思い込みが織り込まれている。言ってしまえば、「あなたの小学生の記憶、それも学校やクラスメイトに少なくない疎外感、反発を抱いていた状態での主観的な記憶がどれだけ真実性を含むか」という批判である。その点からも、筆者の記憶や日記だけでなく、級友や保護者たちの証言ももう少し欲しいところだった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2018年4月15日
読了日 : 2018年4月15日
本棚登録日 : 2018年4月15日

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