[墨田区図書館]
公文の教材にあったから、子どもに読ませるつもりで借りてはきたけれど、見るからに読めなさそう&読まなさそうな表紙絵だったし、興味もあったので、借りてきてすぐ自分で読んでしまった。
器械体操にほれ込んで小学校の教員になっていた筆者がある日学校での指導(模範演技中)にしてしまった大けが。それがもとで半身どころか首下不随になってしまったことを自叙伝的に記した著。
そもそも作家などではなく、普通の方が、奥さんの口述筆記で書いているということもあって、文構成とか文章的に際立った点はなく、むしろ拙さも感じる点もあるが、やはりドキュメンタリーとしての側面と、何よりも筆者の境遇と心境の変化を伴った事故以降の人生の歩みが、読む人に伝えてくる生々しい何かがある。加えて筆者が事故後に得た「花を描く」という自己表現。絵が得意と言うわけではない私などからすれば、十分に画家と呼べなくもない完成度に仕上がっているせいもあるし、その背景にある画者の並々ならぬ苦労を知ったせいもあるが、やはりこの絵があるからこそ、筆者のこの本は注目を浴び、私たちに語りかけてくるものがあるのだと思う。
まだ「今」読ませることを完全にあきらめたわけではないが、「いつか」は息子にも読んでみてほしい。☆4以上にする重要度を見出すわけではないけど、そう思う。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
自分用
- 感想投稿日 : 2017年1月9日
- 読了日 : 2017年1月9日
- 本棚登録日 : 2017年1月9日
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