「伝える力」と「地頭力」がいっきに高まる 東大作文

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  • 東洋経済新報社 (2019年3月21日発売)
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[墨田区図書館]

先に「東大読書」を読んでから読むのがいいかも。
たまたまとはいえ、既に前書を2回読んだ後だったので、冒頭での「作文は読書と同じ」「読書視点での双方向的な文章を書こうと努力することで地頭も鍛えられる」というのがすんなり読めた。

■「東大"読書"」での五大能力
①読解力
②論理的思考力
③要約力
④客観的思考力
⑤応用力

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■「東大"作文"」での五大能力
➀要約力
②論理的思考力
③客観的思考力
④コミュニケーション能力
⑤批判的思考力

■作文の作り方(P.226 Part2-Case0)
・「あとがき作り(主張と目的を決める)」
⇒「目次作り(主張をどう伝えるか)」
⇒「1人ディベート(主張に譲歩やインパクトを作る)」
⇒「質問トラップ作り」で相手を引き込み
⇒「枝葉切り」や代用作りで不要な情報を消して必要な情報・主張と結びついた文章にしていく。

■主張の型
目的と手段は主張の型によって決まる。
・論理(納得)型×変化(アウトプット)促し→警鐘型
・論理(納得)型×理解(インプット)促し→共有型
・感情(共感)型×変化(アウトプット)促し→要望型
・感情(共感)型×理解(インプット)促し→感情型

■王道3つの型
読者との距離によって使い分ける。
・同格型→主張と距離がない相手に(誘導する)
・因果型→主張と距離がある相手に(理由づける)
・対比型→主張を疑っている相手に(検証する)

■断言するための3ステップ
文章は断言してこそ説得力を持つ。
・ツッコミ作り:証明できるか、反例・例外はないか、弱点はないか
・譲歩作り:➀反対意見の入り易い「たしかに」型、②弱点が入り易い「もちろん」型、③「なんじゃないか」型
・インパクト作り:ボケとツッコミ(それまでに作った譲歩を使う)のギャップを作る。

「一見してもすごさのわからない」主張を使うと、ツッコミの余地のあるボケとなり、そこに譲歩を使った回答を用意しておくことで説得力が高まる。

■文章の位置
人は距離が近い、「横」の立ち位置の文章が最も伝わる。「上」や「下」の場合は、まず同等の位置(横)になるように、「横に立てる経験を挙げたり、自分が同じだと表明」した上で主張に対する自分の思いを書く。「外」の場合は、「上」「横」「下」のいずれかに立ち位置を定めてみる。

距離が近くなってもらえれば質問も出る。問いかけには、「これ疑問に思ったことありませんか?」「相手の言葉を先回り」「正解はどれ?」の3つの型がある。

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■文中で紹介されていた他書(一部)
・一分で話せ<伊藤羊一@SBクリエイティブ>
 要点まとめに
・アウトプット大全<樺沢紫苑@サンクチュアリ出版>
 なぜこの本を読むと読者は変化するのか?
・ロジカル・シンキング練習帳<照屋華子@東洋経済新報社>
 ビジネスメールで相手にアウトプットさせるには
・ほぼ日刊トイ新聞の本<糸井重里@講談社>
 読者がよみやすいように配慮してかあれた言葉選び
・論理トレーニング101題<野矢茂樹@産業図書>
 接続詞や文章のつなぎ方を刷新して学び直せる
・パラグラフリーディングのストラテジー(1)<島田浩史他@河合出版>
 英語の長文読解に用いられる手法だが日本語にも◎
・新・所得倍増論<デービッド・アトキンソン@東洋経済新報社>
 想定ツッコミに対する綺麗な回答の準備と返しが絶妙
・アニメ『化物語』副音声副読本<西尾維新他@講談社>
 声優2人で6時間以上読者を楽しませる企画
・天声人語<朝日新聞社論説委員室@朝日新聞出版>
 短くまとめるという点においてダントツの教材
・メモの魔力<前田裕二@幻冬舎>
 どうやって読者をやってみようという気にさせるのか
・SNSで夢を叶える<ゆうこす@KADOKAWA>
 本音という要素
・科学の知恵 怒りを鎮める うまく謝る<河合伸幸@講談社>
 謝罪文について。科学的なアプローチあり。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 子どもの読書履歴(読み聞かせ)
感想投稿日 : 2021年2月26日
読了日 : 2021年2月24日
本棚登録日 : 2021年2月24日

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