センス・オブ・ワンダー

  • 新潮社 (1996年7月29日発売)
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感想 : 456
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この本を通して自然の偉大さ、神々しいまでの美しさ、宇宙の神秘に思いを巡らすことができた。

著者が紡ぎ出すみずみずしい表現、それに添えられる
キラキラとした写真にはっとさせられる。

世界はこんなにも美しいのに、自分はそれを見過ごしている。見ようともしていない。そして息子にもその素晴らしさを伝えられていない。

感受性を磨こうと思ったら、ちいさな自然のひとつひとつに目を向けて、注意深く観察することが大切。
そこから繊細な感性、センスというものが磨かれる気がする。

センス・オブ・ワンダー
こどものような好奇心と繊細な感性をいつまでも持っていたい。

以下、読書メモ

子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、驚きと感激にみちあふれています。残念なことに、わたしたちの多くは大人になるまえに澄み切った洞察力や、美しいもの、畏敬すべきものへの直感力をにぶらせ、あるときはまったく失ってしまいます。
もしもわたしが、すべての子どもの成長を見守る善良な妖精に話しかける力をもっているとしたら、世界中の子どもに、生涯消えることのない「センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目を見はる感性」を授けてほしいとたのむでしょう。

わたしは、子どもにとっても、どのようにして子どもを教育すべきか頭を悩ませている親にとっても、「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないと固く信じておます。
子どもたちがであう事実のひとつひとつが、やがて知識や知恵を生みだす種子だとしたら、さまざまな情緒やゆたかな感受性は、この趣旨をはぐくむ肥沃な土壌です。幼い子ども時代は、この土壌を耕すときです。

人間を超えた存在を認識し、おそれ、驚嘆する感性をはぐくみ強めていくことには、どのような意義があるのでしょうか。自然界を探索することは、貴重な子ども時代をすごす愉快で楽しい方法のひとつにすぎないのでしょうか。それとも、もっと深いなにかがあるのでしょうか。
私はそのなかに、永続的で意義深いなにかがあると信じています。地球の美しさと神秘を感じとれる人は、科学者であろうとなかろうと、人生に飽きて疲れたり、孤独にさいなまれることはけっしてないでしょう。たとえ生活のなかで苦しみや心配ごとにであったとしても、かならずや、内面的な満足感と、生きていることへの新たなよろこびへ通ずる小道を見つけだすことができると信じます。
地球の美しさについて深く思いをめぐらせる人は、生命の終わりの瞬間まで、生き生きとした精神力をもちつづけることができるでしょう。

「死に臨んだとき、わたしの最期の瞬間を支えてくれるものは、この先になにがあるのかというかぎりない好奇心だろうね」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年2月2日
読了日 : 2020年2月2日
本棚登録日 : 2020年2月2日

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