「沈黙の春」のレイチェル・カーソンの最後の本。本文は間に挟まれている写真を含めても70頁程度の短いもので、後半は福岡伸一をはじめとする数人の「私のセンス・オブ・ワンダー」と題する短いエッセイ集という体裁になっている。
ぼくは子どものころ、缶詰のみかんを誰がどうやってあんなにきれいに剥いているのだろうと思っていた。
地震がどうして起きるのか不思議で、きっと高い山から大きな石が転がり落ちているのだろう、でもそこらの山から転げ落ちたら大騒ぎになるから、きっと海の中の山から転げ落ちている違いない、と考えていた。
ゾウリムシなどの単細胞微生物が分裂して増えることを知ってからは、それならゾウリムシは不老不死なんじゃないかと思っていた。
こういうのも「センス・オブ・ワンダー」だと考えていいのだろうか。この短い、美しい本を読みながらぼんやりと考えていた。
著者は甥っ子のロジャーと森の中を歩きながら、動物や植物の名前を教えたり、説明したりはしなかったらしい。ただ自然に驚くこと。その体験を子どもと共有することが大事だと思っていたからだ。センス・オブ・ワンダー。そのセンスを持っているかどうかで、人生の楽しさはずいぶん変わる。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2024年3月7日
- 読了日 : 2024年3月7日
- 本棚登録日 : 2024年3月7日
みんなの感想をみる