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ふと思った。ヒトは好きな人のために何かしてあげたいと思う生き物だ。だから「求められているから、会いに行く」も「彼女のために付き合ってあげる」も決して間違ってはいない感情で愛情のはずなのに、こう文字にしてみるとそれがいかに恩着せがましく、本人の感情がそこにないかがあからさまになってしまうのだ。
(中略)
この物語の主人公、佳苗には「自分がない」のだ。あるのは「誰かに愛されたい」という淡い思いと、その餓えを凌ぐ為に必要なヒトたち。でも彼女はそれに気づいていない。なぜなら彼女にとって、一緒に過ごすヒトは親友であり、自分を必要とするヒトが親友になるからだ。
―― 『猫の名前 解説』(伊藤さとり) p.204,205
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- 感想投稿日 : 2009年12月17日
- 読了日 : 2009年12月17日
- 本棚登録日 : 2009年12月17日
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