湖が登場する三作品。
フイッツジェラルドの『冬の夢』は憧れて振り回された小悪魔のような女性が歳を重ねて他の男性と結婚し「いいひと」に落ち着いたり、結婚相手が遊びあるくため「なんか気の毒で」と他人に憐れまれたりする現在の姿に自分の若い時代が崩れ去ってしまう主人公に憐れみを覚えました。
思い出は美しいままであって欲しいと思います。
木々高太郎の『新月』は若い妻への愛が強すぎて起こった悲しい結果。細田氏は優しい人だったのでしょうが慰藉料を要求する妻の父と兄に引きます。
小沼丹の『白孔雀のいるホテル』は粗末な宿屋で起こる悲喜劇。白いホテルの夢を語る主人のどこか浮世離れした様子が印象的です。主人と主人公の人柄の良さが作品を暖かく包んでいるようでした。
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- 感想投稿日 : 2020年11月29日
- 読了日 : 2020年11月29日
- 本棚登録日 : 2020年11月29日
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