よい小説とは必ずしも現実的である必要はなく、ただ作者の作った虚構の中で物語の進行に矛盾や違和感のないものであれば良質なエンターテイメントとなりえます。
その意味で、この小説はミステリーとはかくあるべしという模範例です。
ただし、小さな穴はあります。(以下ネタバレあり)
共通の知人という設定ですので、中心となる人物一人を抜きにしては共通足りえないという点を考慮すればターゲットはこの時点で明らかです。
とはいえ、最終的にはそういう結末(どんでん返し)にはなるのですが・・
まあ、そんな小さな隙が気にならないくらい、この舞台設定を考え付いた作者の創造力に脱帽です。
「大誘拐」「雲の中の証人」「遠きに目ありて」と並ぶ読んで損のない傑作です。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2018年8月20日
- 読了日 : 2018年8月20日
- 本棚登録日 : 2018年8月20日
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