わが人生の時の人々 (文春文庫 い 24-8)

著者 :
  • 文藝春秋 (2005年1月7日発売)
3.22
  • (1)
  • (2)
  • (4)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 35
感想 : 3
3

ボクが彼らの文章が好きだから勝手に思うことなのだが。太宰の世界と三島の世界と石原の世界はいつもどこかで繋がっていていつもどこかで消しあおうとしているところが実に面白い。別に嫌っているわけではなく互いに互いを気にして嫉妬している部分のことである。太宰の世界の持っている主題など毎朝冷水摩擦していれはどこかに飛んでいってしまう。と痛烈な言葉を吐いた三島をどこかでこいつ無理しているな。と感じていた石原は三島によって「太陽の季節」の主題を後になって気づかされていた。太宰を気にかけていた三島は自分の中にある太宰的世界を美に置き換えただけだと石原が交戦してもおかしくはない。漱石がはるばる天から降りてきておのおのなだめすかせるとそれぞれの熱がふうっとさがっていくような気がするのだけれど。。とそこまで想像できるところが3人の魅力というところに尽きる。とか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2008年3月7日
読了日 : 2008年3月7日
本棚登録日 : 2008年3月7日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする