四年も待たされた!判型デカイからラノベ売り場に置いてなくてわかりづらい!薄いのに高い!と言いたい文句はたくさんあるのだけれど漸く読めたということで売り方については溜飲を下げられる。しかし内容も内容である。書下ろしの第五章までひたむきに生殖の話である。第五章も無理矢理に話をまとめようと駆け足にもっていった感じは否めない。筒井康隆は四年前のインタビューでも言っていたが「ラノベ」を目指したようだ。しかしなまじ長年小説を書いてきただけにやや文体に違和を感じてしまう。あとがきでもインタビューでも言っていたように作品に対するベクトルが長過ぎる執筆期間のうちに変わってしまったこともあるかもしれない。さんざ文句を連ねてきたけれどブラックジョークやメタネタ、パロディ(まさか京極ネタをもってくるとは)など筒井康隆の味も出てはいるしファンなら一読の価値はあるだろう。ビアンカオーバーステップという次作の草案らしきものもあるらしいので、77歳という年齢で正直しんどいかもしれないが是非次作も筒井康隆の手によってしたためてほしいものである。今度はなるべく短期間のうちにね。
読書状況:読み終わった
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かがくのちからってすげー
- 感想投稿日 : 2012年9月13日
- 読了日 : 2012年9月13日
- 本棚登録日 : 2012年9月13日
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