ソロモンの指環―動物行動学入門 (ハヤカワ文庫 NF 222)

  • 早川書房 (1998年3月1日発売)
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本棚登録 : 2222
感想 : 173
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動物の生態を知りたくなったので読んだ。

動物行動学入門とあるがほとんどエッセイのような感じでさくさく楽しんで読める。
コンラート・ローレンツが多種多様な動物たちとともに暮らす中から見える動物たちの生態や行動、その意味するところとは。動物への愛に溢れる1冊。

普通に哺乳類がメインで出てくるものだと思ってたら、ハイイロガン、アクアリウム、コクマルガラス…といい意味で期待を裏切られた。
特にトウギョの話が面白く、ついYouTubeで動画を漁ってしまった。
また、8章の「なにを飼ったらいいか!」はペットに適した動物を紹介してくれる。現在飼われているような金魚、モルモット、インコなどをつまらないやつと言い切ってしまうところが面白い笑
ただこの本を読んだら安易にペット飼おう!とはなかなか思えないかも。動物には動物の本能と行動があり、共に生活するには人間が合わせなくてはいけない。

一番最後の「いつかきっと相手の陣営を瞬時にして壊滅しうるような日がやってくる。全人類が二つの陣営に分かたれてしまう日も、やってくるかもしれない。そのときわれわれはどう行動するだろうか。ウサギのようにか、それともオオカミのようにか?人類の運命はこの問いへの答えによって決定される」という言葉が忘れられない。
人間は相手が降参の態度を見せた時、攻撃しないでいられるのだろうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年8月28日
読了日 : 2021年8月27日
本棚登録日 : 2021年8月27日

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