業苦 忌まわ昔(弐) (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2020年6月12日発売)
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本棚登録 : 48
感想 : 5

現代版今昔物語集。ひっそりじっとりとした情念の重苦しさとひそかな恐怖を感じさせられる物語の数々。これらは現実にはなさそうで、しかしもしかしたらあるのかもしれない、と思わされるような印象です。読めば読むほど闇に呑み込まれそう。
お気に入りは「源頼信阿臣の男頼義、馬盗人を射殺せる話」。いったい何が起こったのか、なぜそんなことが起こってしまったのかが一切わからない気持ち悪さが格段な一作でした。不気味この上ない「姉」だけど、むしろ何事もなければ平凡というか、強いキャラクター性があるわけじゃなく。なのになんなのこの奇妙な物語。ラストも結局何がどうなったのか一切謎なんですよねえ……。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ホラー
感想投稿日 : 2020年10月8日
読了日 : 2020年10月8日
本棚登録日 : 2020年10月8日

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