生得なルールによってひとが言葉を理解していることがよく分かる。心的プログラム「パーサー」の仕組みを様々な実験を通して解き明かす第7章が最も興味深かった。二義性のある文を聴いている際には一つの意味を選択して解釈を進めていくという。機械であればどちらの可能性も一時記憶として保持できるが、人間の場合はそれが苦痛になるため、可能性の高い意味を選ぶ必要があるらしい。二義性があることに脳は反応しながらも、文法だけでなく何らかの知識を使って判断をしているというのだから奇蹟のようだ。1995年出版ということもあり、今日のコンピュータ技術を前提とするとやや古いのではないかと思われる言及も少なからずあった。この辺りはピンカーの近著等でアップデートしたい。
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- 感想投稿日 : 2020年5月5日
- 読了日 : 2020年5月5日
- 本棚登録日 : 2020年4月25日
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