言語を生みだす本能(上) (NHKブックス)

  • NHK出版 (1995年6月1日発売)
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本棚登録 : 772
感想 : 28

生得なルールによってひとが言葉を理解していることがよく分かる。心的プログラム「パーサー」の仕組みを様々な実験を通して解き明かす第7章が最も興味深かった。二義性のある文を聴いている際には一つの意味を選択して解釈を進めていくという。機械であればどちらの可能性も一時記憶として保持できるが、人間の場合はそれが苦痛になるため、可能性の高い意味を選ぶ必要があるらしい。二義性があることに脳は反応しながらも、文法だけでなく何らかの知識を使って判断をしているというのだから奇蹟のようだ。1995年出版ということもあり、今日のコンピュータ技術を前提とするとやや古いのではないかと思われる言及も少なからずあった。この辺りはピンカーの近著等でアップデートしたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年5月5日
読了日 : 2020年5月5日
本棚登録日 : 2020年4月25日

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