訪問者 (1) (小学館文庫 はA 4)

著者 :
  • 小学館 (1995年8月10日発売)
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いろんな切り口の「訪問者」
自分がそこにいてもいいと思えることがどんなに重要で、切実な願いか。周りの人に愛してもらえることは勿論、「エッグ・スタンド」は政治的な存在自体の断罪まで言及される。

「愛も戦争も同じ」と語るラウル、生きている実感を伴うものがそのふたつだとしたら、愛そのものも恐ろしい。。「許している」ように見える彼らだって、所詮性的搾取者という地獄側面を持っており、まさに「すべてがきわどいところにある」。人間が人間を裁くことの限界を感じるけど、不条理でも誰かの許しが誰かの存在に間違いなくつながっていて、、涙

萩尾望都を読んでから「許し」についてよく考える。人間の持てる感情で一番すごいのは許しかもしれない

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年3月13日
読了日 : 2022年3月11日
本棚登録日 : 2022年3月6日

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