世界はシステムで動く ―― いま起きていることの本質をつかむ考え方

制作 : 小田理一郎 
  • 英治出版 (2015年1月24日発売)
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例えば、「この世界をより良くしたい」と考えた時に、どんな基本思考を生きる人すべてにインストールすれば良いのか?と思えば、名著「7つの習慣」とかは間違いなく入るのだけど、10冊選んで良ければ、この本はその内の1冊に入って良いと思う。

どうしても、短期的な感情で、人に対して良し悪しを評価したり、争ったり、目先の利益を追求したりとなりがちだけど、それらは、システムの中の小さな挙動の1つでしかない。

モノゴトを、長期的、論理的、システム的な捉え方をして、その結果が生まれるだけの理由がどこにあるのか?を建設的に議論ができるようになるには、多くの人がこの概念を持たなければならないなと。

本文中にもあるが、「システムのレバレッジ・ポイントは直感では理解できないことが多い」とあり、この構造は、専門家や天才は正しいことを提言していたとしても、多くの人から理解されなかったり、信じられなかったりすると、実現できなくなり、結局のところ、誰も得しない状態になってしまう。

戦争や貧困、環境問題やエネルギー問題、ワクチン等医療の問題など様々あるけど、解決するためには、全員がシステムを構築できるような天才でなくても良いけど、システムの基礎を理解していて、最低限、ポジティブな意思決定、票を投じるような状態になるのが重要だと思わされる。

シンプルにいえば、

「〇〇さんが悪い」×
「〇〇さんにそうさせた環境を改善しよう」◎

多数の人がこの思考になれば、それで充分。

本の内容について、勉強になるところを抜粋すると、かなりのボリュームになってしまうから、ここではやめておく。

分厚くて難しい本に見えてしまうかもしれないけど、抽象と具体の行き来が多いから、イメージもつきやすく、ざっくり理解できればOKくらいの感じで多くの人に読まれてほしい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年9月18日
読了日 : 2021年12月3日
本棚登録日 : 2021年9月9日

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