本作は介護のお話。
たしか年末の紅白の審査員挨拶の時、今年母を亡くした的な事をおっしゃっていたので、実生活で経験した苦労や悲しみを盛り込まれたお話だと思われます。
とはいっても、マリコさんは超高級ホームに入れる財力をお持ちなのでね、そのあたりの苦労はしていないのでしょうけど、やっぱり親を看取るのは悲しい・・・
前半は、親の病気や介護によって追い詰められてゆく描写がとてもリアルで全く他人事とは思えず、痴呆が進行した親に戸惑う様、末期がんを宣告された父のために有り金を注ぎ込む娘の気持ちなどを思って涙しました。
兄嫁に対して憤ったり、シビアにお金の大切さを考えたり、登場人物になりきって本気で思い悩みながら読みました(笑)
が、後半はヒドイ。
まず設定があり得ない方向に進み、更にそれが犯罪者的な発想だから、前半で共感して涙した気持ちがスーッと冷めてしまい、それどころかムカムカする気持ちが次第に大きくなってきました。
そしてラストシーンでありクライマックスと言える場面は、超ドタバタ劇と化し、もう勝手にやってくれ、という気持ちに・・・
作品全体が台無しになってしまった(涙)
勿体ない。
…前半がいいので星は甘めです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
家族
- 感想投稿日 : 2018年2月21日
- 読了日 : 2018年2月21日
- 本棚登録日 : 2018年2月21日
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