主人公たちは、みな素直でひた向きでまっすぐに傷ついていく。かつて自分も経験した、あの胸の灼かれるような気持ちが思い出された。けれど、絶妙に軽やかな文章で読み心地が良い。また、(ほぼすべての話で)最後に少しだけ明かりがさすような結末を迎えるところに、著者の優しさを感じた。
全話それぞれに面白いが、特に「シコちゃんの夏休み」と「家並みのむこうにある空」は本当に素晴らしい。(シコちゃんの健気さ、最後に垣間見える啓一の想い…!)
今回中古で入手しましたが、再版を望みます。もっと多くの方に読んでほしい。今の若者にも響く(刺さる)と思う。☆4.5
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年6月3日
- 読了日 : 2023年6月3日
- 本棚登録日 : 2023年5月24日
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