浮世絵は刷るもので、売れなくなったら版木を掘りなおす、という当然のことにすらこの本を読むまで思い至りませんでした。時代を写した現在残る浮世絵がどれほど貴重かあらためて思いを馳せました。幕末、明治と移ろいゆく時代。浮世絵を守ること、襲名を受けること。主人公清太郎の前にそびえたつ努力では越えられない壁がとても切ないです。どんなに蔑まれても信じるところを貫き通し、最後にわかる表題の意味はグサリと胸に突き刺さります。私にとって決して読みやすい本ではありませんでしたがいまだ余韻が冷めません。読んで良かったです。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年6月14日
- 読了日 : 2016年4月6日
- 本棚登録日 : 2019年6月14日
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