ぎょらん

著者 :
  • 新潮社 (2018年10月31日発売)
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本棚登録 : 2232
感想 : 236
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町田その子さんの2作目の作品。

「事故死」「自殺」「異常性癖」「ニート」「不倫」「不妊」「別居」「認知症」「ネグレスト」「殺人」「末期癌」ざっと思い浮かべてみたらこの本の中に不安なワードがてんこ盛りでした。前作の『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』では溺れてしまったのですが、2作目もこれでもかってゆうぐらい突っ込んできますね。
これだけ暮らしに浸透してると、普段使いに思えてくるのが怖いです。家にゴキブリ1匹見つけたら50匹は潜んでいると思わなければいけない感じです。(バルサン焚きたくなります)

視力が落ちてしまったせいか「潰す」と「遺す」を読み違えてるところもあるような気もしてるのですが、
【潰す】押さえつけて壊す
【遺す】何かの価値あるモノやコトに対して、価値の一部でも損ねることなく、その全てを次の代に引き継ぐこと。

ググりましたが、うーん、どっちだったんかなって迷ってました。

いくらが口の中でぷちっと弾け、じゅわーっと溶けてなくなる食感、美味しくて大好きなんですが、思いだすのはご飯に溢れるばかりに乗ったいくら丼、酢飯だとさらに美味しいそうww ブドウも皮ごと食べるとジュシーが口いっぱいに広がりますね、大粒だと幸福感も大きいしww

弾ける感覚が堪らなく緩衝材のビニール プチプチもよく潰しました。イラっとしてるときは落ち着く遊びでしたが今は、断熱材として冬場の窓ガラスに貼ったりして使うことのが多いかな。

シャボン玉は、飛ばしたものを捕まえて壊れないようにそーと眺めてたりしたものでした。

壊れやすいものは大事に扱うし、丈夫なものは粗末に扱ったり、美味しいものは残さずいただいたりで扱い方も様々。

「ぎょらん」を見つけたらどう扱うかなぁて考えてました。朱鷺のように口にするか、小紅のように潰してしまうのか。
小さな赤い珠らしいけど、澄んだ目で見つめたいですね。

各章に「死」がありこれほど向き合うことになるとは思いませんでした。その死に対して真摯に送ってくれる葬儀社の存在はありがたく用意周到で小狡い演出でした。
それにしても、あのお母さん無茶強すぎる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: kindle unlimited
感想投稿日 : 2023年2月25日
読了日 : 2023年2月26日
本棚登録日 : 2023年2月23日

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