お初の東野圭吾さんです。タイトルからの印象は山の話とか期待してたんですけど無茶都会がでてきます。
読み進めていくと叔母を名乗る人物、柳澤千舟が現れて素行の悪い玲斗を引取り御神木であるクスノキの番人に仕立て上げる話しなんですけど、徐々に判明してゆくクスノキの祈念の仕組みとかゾクゾクしました。
血筋とか伝承とか、新月に満月、スピリチャルな現象とか色々と絡まって神秘的なものに惹き込まれてどう結びつくのか気掛かりでどんどん興味を引く展開は流石でした。
この物語の展開を支えるストーリーは大きく3系統あって、1つは鼻歌を歌う佐治寿明と娘の優美との展開。2つ目は老舗和菓子屋のボンボンの壮貴にまつわる展開、クスノキとの関わり方が正反対で面白かったです。
そして最後は、叔母柳澤千舟との展開。これら3つの大きな根っこが地上へと繋がり幹を支え枝葉を伸ばして行くような作り込みは秀逸でした。クスノキは常緑樹で日差しを遮ってくれるし神秘的なパワーを感じます。
玲斗も次第に自覚して成長していくのですが、弁が立ち好印象の型にはまって、つまらなくなってゆく気がしたのですがこの先どんな枝葉を伸ばすのか気になってしまいましたww
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
図書館
- 感想投稿日 : 2023年8月29日
- 読了日 : 2023年8月29日
- 本棚登録日 : 2023年8月17日
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