「私」の親友サックスは、快活で強靭な意志を持つ男だ。彼は文筆家として生計を立て、妻ファニーとつつがなく暮らしていた。しかし彼の魅力こそが、彼を追い込み転落させてしまう。
あたかも必然のように悲劇を迎えるのは、あくまでも「私」が書いた物語だからかもしれない。
本作は、「私」がサックスについて記した物語、という形式をとっている。
だが単なる伝記物語ではない。「私」がサックス(とその周辺)について語りながら、しかも「私」自身のことをも語る。
その絡み方が綿密で、ただの物語とはいえない深みを与えてくれているのだ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2014年10月9日
- 読了日 : 2014年10月9日
- 本棚登録日 : 2014年10月9日
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