アイヌのことを考えながら北海道を歩いてみた 失われたカムイ伝説とアイヌの歴史

  • ユサブル (2022年7月14日発売)
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感想 : 13
5

こういう旅の仕方はいいものです。
テーマを持って、関連した場所を巡るのです。
時間が無ければ何回かに分けてでも良い。

この本での旅のテーマは「アイヌ」です。

ゴールデンカムイなどの影響で北海道ではアイヌ
を観光の目玉に据えようとしているらしいです。

それにより東京から観光客が大勢来てくれるかど
うかではなく、いわゆる「ハコモノ」が作れるか
らだそうです。

なんとなくの知識では見えてこないハコモノが、
テーマを持って訪れた人にとって全く無駄である
ことが見えてきます。

まさに著者はその眼力を持って、各地のアイヌ関
連施設を訪れています。

実際には和人はアイヌを開拓の際に追い出してし
まった歴史があります。

著者の眼力は、そういった本当の北海道の姿を浮
かび上がらせます。

何より著者は、全て公共交通機関を使って北海道
を移動しているのです。

そこではアイヌだけでない別の弱者も切り捨てら
れようとしている姿も見えてきます。

やっぱり旅は歩きだ、と再認識させられる一冊で
す。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 紀行本
感想投稿日 : 2023年11月29日
読了日 : 2022年9月14日
本棚登録日 : 2022年9月14日

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