三陸海岸大津波 (文春文庫)

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  • 文藝春秋 (2004年3月12日発売)
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2012/10/20読了。備忘録として。
二度の大津波により甚大な被害を出してきた田老村、築いた高さ10mを超える大堤防が三度目の津波を阻み、過去の二度の津波被害を受けた村の古老も「死ぬ人はめったにないと思う」と言った。だが昨年の津波で防波堤は一瞬で決壊、田老地区は死者200名を数えた。
それでも、明治29年の大津波で死者26360名。昭和8年の大津波で死者2995名。平成23年の地震と津波の規模を考えると、死者200名超というのは非常に少ない数字だったと言える、ということか。
津波は「よだ」と呼ばれ、明治29年には誰も津波という文字を使っていなかったという。海嘯と書いてつなみ、よだと読んだらしい。他に、親しい人が死者に声をかけると、死体は口から泡を吹く、という迷信、それに則った子供の作文が非常に読み物として優れていたと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2012年10月20日
読了日 : 2012年10月20日
本棚登録日 : 2012年10月20日

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