宿命 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (1993年7月6日発売)
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本棚登録 : 19112
感想 : 1454
4

凄い一冊でした。

何が凄いか、それは単なる殺人事件の謎解きミステリーではなく、そこに関わった2人の謎。

宿命のタイトル通り、本作は明らかにその宿命を解き明かすことが主題となっているミステリー作品ということに尽きる。

サブタイトルをつけるなら糸ということになるのだろう。

計算し尽くされた見事の内容は迷わず☆5つであったが、今まで読んだ東野作品の中で、あくまでも私見だが登場人物が多かった^^;

相関関係を理解しながら読み進める力がまだまだ足りない事に気づかせてくれた一冊になるが、その分だけ最初は東野作品として読み進めるのに苦労した。(結果、読み終えるのに3日もかかってしまった(苦笑))

その分だけ☆1つマイナスをつけたが、これは作品の評価ではなく、自分に対しての戒めの意味を込めてである。

学生時代から続く優作と晃彦の宿命とは。

晃彦の妻であり、優作の初恋の人でもある美佐子を繋ぐ糸とは。

単なる殺人事件の謎解きミステリーではない本作の深みはここにあり、ラスト1行の一言「君の方だ」で結ばれる。

本作の中で重要な脳の謎。

これが、次作となる変身へのプロットとなる。

説明
内容紹介
高校時代の初恋の女性と心ならずも別れなければならなかった男は、苦闘の青春を過ごした後、警察官となった。男の前に10年ぶりに現れたのは学生時代のライバルだった男で、奇しくも初恋の女の夫となっていた。刑事と容疑者、幼なじみの2人が宿命の対決を果すとき、余りにも皮肉で感動的な結末が用意される。
内容(「BOOK」データベースより)
高校時代の初恋の女性と心ならずも別れなければならなかった男は、苦闘の青春を過ごした後、警察官となった。男の前に十年ぶりに現れたのは学生時代ライバルだった男で、奇しくも初恋の女の夫となっていた。刑事と容疑者、幼なじみの二人が宿命の対決を果すとき、余りにも皮肉で感動的な結末が用意される。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年6月5日
読了日 : 2020年6月5日
本棚登録日 : 2019年11月19日

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