楽園のカンヴァス (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2014年6月27日発売)
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大好きな原田マハ作品、気づけば27作品目(28冊)の読了となりましたが、現時点での最高傑作と言ってもいいんじゃないでしょうか。

ずっと読まずに温めておいたのが正解だったのか?それとももっと早くに読むべきだったのか?

きっと今が読むべきタイミングだったと思いたい。

本作はアンリ・ルソー「夢」に酷似した「夢をみた」に纏わる物語。

<アンリ・ルソー>
アンリ・ジュリアン・フェリックス・ルソーは、19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したフランスの素朴派の画家。下手な画家と評されることが多いが、色彩感覚や繊細な表現に優れていた。 20数年間、パリ市の税関の職員を務め、仕事の余暇に絵を描いていた「日曜画家」であったことから「ドゥアニエ・ルソー」の通称で知られる。( ウィキペディアより)

W主演はニューヨーク近代美術館(MoMA)のキュレーター、ティム・ブラウンと日本人研究者の早川織江。

伝説のコレクターであるバイラーに招かれた2人が目にするのはルソーの「夢」に酷似した「夢をみた」という存在すら知られていない作品。

バイラーは2人に「夢をみた」の鑑定を依頼します。
出した条件は①期間は7日間②絵を見るのは初日と講評の最終日のみ③手がかりは古い1冊の古書のみ④本を読むのは毎日1章を1人で読む(制限時間90分)等。
7日後に行われる講評では結論が「真作」であれ「贋作」であれ問題はない、より優れた講評を受け入れると言う。
そして、勝者に贈られるのは「夢をみた」の取り扱い権利(作品を転売しても展覧会に出品しても、闇に葬ろうが、煮て食おうが、焼いて食おうが構わない)。

そして始まった7日間、ルソーが生きた時代と現代を行き来しながら物語は進んでいきます。

ルソーと彼が愛したヤドヴィガ、その夫ジョゼフを中心に進む古書のストーリー。

そしてティム・ブラウンにより明かされる古書の著者...

完璧すぎる...

アートを愛するマハさんにしか描けない至極のアートミステリー作品。

ルソーの作品は正直「夢」しかわかりません。
マハさんの作品と出会い、アートに興味を持ち、先日は熱海山口美術館にも行ってきました。
岡本太郎、ピカソ等を目にしてきた直後、本作にてルソーとピカソの関係(史実?)も知ることが出来ました。

東京で開催されている「モネ展」へも大好きな「睡蓮」に会いに行こうと思っていますが、アート初心者の私が学生時代から好きな「ゲルニカ」、次に読む作品は決まりかな☆

<あらすじ>
アンリ・ルソーというフランスの画家の作品「夢」に似た絵の真贋をめぐって、二人の研究者が世界中
を旅しながら謎を解いていく物語。

ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵。持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げ、手がかりとなる謎の古書を読ませる。

一方、日本の大原美術館で監視員をしている早川織絵は、ルソー研究の権威である教授から、同じ絵に関する依頼を受ける。織絵は博士号を持つ才女だが、過去のトラウマから学界を離れていた。

ティムと織絵はライバルとなり、絵の真相に迫るためにニューヨーク、倉敷、パリ、バーゼルと世界を飛び回る。彼らはルソーと「夢」のモデルとなった女性、そしてピカソとの関係を探りながら、次第に惹かれ合っていく。

果たして、「夢をみた」という絵は本物なのか?ルソーの最後の秘密とは何なのか?ティムと織絵は真実にたどり着けるのか?



とうとう、みつけたわね。

ルソーの名画に酷似した一枚の絵。そこに秘められた真実の究明に、二人の男女が挑む。興奮と感動の傑作アート・ミステリ。山本周五郎賞受賞。

ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵。持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げ、手がかりとなる謎の古書を読ませる。リミットは7日間。ライバルは日本人研究者・早川織絵。ルソーとピカソ、二人の天才がカンヴァスに籠めた想いとは――。山本周五郎賞受賞作。

内容(「BOOK」データベースより)

ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵。持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げ、手がかりとなる謎の古書を読ませる。リミットは7日間。ライバルは日本人研究者・早川織絵。ルソーとピカソ、二人の天才がカンヴァスに篭めた想いとは―。山本周五郎賞受賞作。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

原田/マハ
1962(昭和37)年、東京都小平市生れ。関西学院大学文学部日本文学科および早稲田大学第二文学部美術史科卒業。マリムラ美術館、伊藤忠商事を経て、森ビル森美術館設立準備室在籍時、ニューヨーク近代美術館に派遣され同館にて勤務。その後フリーのキュレーター、カルチャーライターに。2005(平成17)年「カフーを待ちわびて」で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞し、デビュー。『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 原田マハ
感想投稿日 : 2023年10月15日
読了日 : 2023年10月15日
本棚登録日 : 2019年8月13日

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