「楽園のカンヴァス」を読み終え、そのまま手にした本書、ついにたどり着きました。
マハさんの作品を通じてアートに興味を持ち始め、今まで訪れることのなかった美術館へも足を運ぶようになりました。
そんな私が学生時代からたった1つ目を奪われ、今も本棚の上に飾っているのが「ゲルニカ」。
本書は購入してからも手をつけずに大切にしていた1冊です。
「楽園のカンヴァス」を読み終えた時に次に読むのは本書「暗幕のゲルニカ」しかないと思えたので、マハさんの作品28作目(29冊)として手にとることが出来ました。
このタイミングが私にとって本書を読むタイミングだったのだと思います。
語り出すと長くなりそうなので、一旦ここまで。
(am0:54)
この小説は、ピカソの名画「ゲルニカ」をめぐる二つの時代と二つの物語が交錯するという構成になっています。
一つ目の物語は、1937年のパリで起こります。
ピカソの恋人で写真家のドラ・マールは、スペイン内戦で破壊されたゲルニカの町を描いた巨大な絵画の制作過程を記録します。
この絵は、反戦のシンボルとして世界に衝撃を与えますが、その後も様々な運命に翻弄されることに。
もう一つの物語は、2001年から2003年にかけてのニューヨーク。
日本人のピカソ研究者でMoMAのキュレーター八神瑶子は、9・11テロで夫を失った悲しみから立ち直ろうとします。
彼女は、「ピカソの戦争」という展覧会を企画し、国連本部に飾られていた「ゲルニカ」のタペストリーを借りようとしますが、そのタペストリーはイラク攻撃を宣言する米国務長官の演説の際に突然姿を消します。
瑶子は、この事件に関わる陰謀に巻き込まれていきます。
これら二つの物語は、ピカソと「ゲルニカ」に関わる人々の過去と現在が交差することで、一つの真実に辿り着く。
美術と戦争というテーマを通して、人間の苦悩や希望を描いた素晴らしい作品。
<あらすじ>
ニューヨーク、国連本部。イラク攻撃を宣言する米国務長官の背後から、「ゲルニカ」のタペストリーが消えた。MoMAのキュレーター八神瑶子はピカソの名画を巡る陰謀に巻き込まれていく。故国スペイン内戦下に創造した衝撃作に、世紀の画家は何を託したか。ピカソの恋人で写真家のドラ・マールが生きた過去と、瑶子が生きる現代との交錯の中で辿り着く一つの真実。
この小説は、ピカソの「ゲルニカ」が第二次世界大戦とイラク戦争をつなぐという発想に基づいています。また、ピカソの人生や作品に関する豊富な知識や情熱が感じられる作品です。
暗幕の下にこそ、決して目を逸らすことのできない真実がある
ゲルニカを消したのは誰だ――? 衝撃の名画を巡る陰謀に、ピカソを愛する者たちが立ち向かう。現代と過去が交錯する怒濤のアートサスペンス!
ニューヨーク、国連本部。イラク攻撃を宣言する米国務長官の背後から、「ゲルニカ」のタペストリーが消えた。MoMAのキュレータ ー八神瑤子はピカソの名画を巡る陰謀に巻き込まれていく。故国スペイン内戦下に創造した衝撃作に、世紀の画家は何を託したか。ピカソの恋人で写真家のドラ・マールが生きた過去と、瑤子が生きる現代との交錯の中で辿り着く一つの真実。怒濤のアートサスペンス!
内容(「BOOK」データベースより)
ニューヨーク、国連本部。イラク攻撃を宣言する米国務長官の背後から、「ゲルニカ」のタペストリーが消えた。MoMAのキュレーター八神瑶子はピカソの名画を巡る陰謀に巻き込まれていく。故国スペイン内戦下に創造した衝撃作に、世紀の画家は何を託したか。ピカソの恋人で写真家のドラ・マールが生きた過去と、瑶子が生きる現代との交錯の中で辿り着く一つの真実。怒涛のアートサスペンス!
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
原田/マハ
1962(昭和37)年、東京都小平市生まれ。関西学院大学文学部日本文学科および早稲田大学第二文学部美術史科卒業。馬里邑美術館、伊藤忠商事を経て、森ビル森美術館設立準備室在籍時、ニューヨーク近代美術館に派遣され同館にて勤務。その後2005(平成17)年『カフーを待ちわびて』で日本ラブストーリー大賞を受賞しデビュー。’12年に発表したアートミステリ『楽園のカンヴァス』は山本周五郎賞、R‐40本屋さん大賞、TBS系「王様のブランチ」BOOKアワードなどを受賞、ベストセラーに。’16年『暗幕のゲルニカ』がR‐40本屋さん大賞、’17年『リーチ先生』が新田次郎文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
- 感想投稿日 : 2023年10月23日
- 読了日 : 2023年10月23日
- 本棚登録日 : 2019年8月13日
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