久々の貫井作品、通算5冊目の読了ですが、私には「慟哭」以上に印象に残る一冊でした。
何故印象に残ったのか?
本作はミステリー作品のはず、なのに最後まで真犯人は解明されないまま幕を閉じてしまったからです。
そんなことあります?
いや、あるんです。
物語はの本筋は死体となって発見された小学校の女性教師、当初は事故の疑いもあったが、①睡眠薬が入った食べかけのチョコレート②亡くなった女性教師の胃からも睡眠薬の成分を検出③ガラス切りを使って開けられた窓ガラス、以上のことから殺されたものとみなされ、犯人を探すというもの。
Scene1では教え子である小学5年生の視点で、Scene2では同僚女性の視点、Scene3では元カレの視点、Scene4は不倫相手の視点、それぞれの視点から犯人を推理します。
それぞれが語る被害者像も同じ人物かを疑いたくなる程に違い、それぞれの推理の結果も違う。
読み終えた読者には読者自身が推理をし、犯人を追い求めたくなる余韻が残る。
間違いなく衝撃作。
説明
内容紹介
小学校の女性教師が自宅で死体となって発見された。彼女の同僚が容疑者として浮かび上がり、事件は容易に解決を迎えるかと思われたが……。万華鏡の如く変化する事件の様相、幾重にも繰り返される推理の構築と崩壊。究極の推理ゲームの果てに広がる瞠目の地平とは?『慟哭』の作者が本格ミステリの極限に挑んで話題を呼んだ衝撃の問題作。
内容(「BOOK」データベースより)
小学校の女性教師が自宅で死体となって発見された。傍らには彼女の命を奪ったアンティーク時計が。事故の線も考えられたが、状況は殺人を物語っていた。ガラス切りを使って外された窓の鍵、睡眠薬が混入された箱詰めのチョコレート。彼女の同僚が容疑者として浮かび上がり、事件は容易に解決を迎えるかと思われたが…『慟哭』の作者が本格ミステリの極限に挑んだ衝撃の問題作。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
貫井/徳郎
1968年東京生まれ。早稲田大学商学部卒。’93年鮎川哲也賞に応募した『慟哭』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
- 感想投稿日 : 2023年2月26日
- 読了日 : 2023年2月26日
- 本棚登録日 : 2019年11月19日
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