辻村さんの小説は色々な小説の相関関係が複雑なので、完全に楽しむには関連書籍の記憶が残っているうちに一気に読みたいわけでありますが、色々面白い本があるこの世の中そうそう一気読みもしていられません。
噂によるとこの本もまた他の本との関係があるようです。結構読んでいるのですがさすがに記憶の外でございました。
しかし結論から言うと他の本読んでいなくても面白さ自体は全く減じないです。
辻村さんの得意とする、子供から大人に至る過程で失ってしまうか乗り越えてしまうものを丁寧に描いています。普通大人が「いつか平気になるよ」と思わず言ってしまうような事を、本当にそうなの?と問い掛けてきます。そうなんですよ、大人になってみんな平気な振りしているだけなんですよ。
古い洋館に集った若くて才能あふれた若者達。上巻で割と冗長とも思える生活のやり取りを書いていますが、下巻で一気に怒涛の伏線回収。さすがの辻村マジックでした。
恋愛も友情も嫉妬もこれでもかと書いていますが、読み終わった後に残るのは優しい気持ちです。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年11月10日
- 読了日 : 2019年11月8日
- 本棚登録日 : 2019年11月8日
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