我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社 (2017年12月14日発売)
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本棚登録 : 574
感想 : 63

現在生息している人類は我々だけらしいです。世界中に色々な人種がいますが、アフリカの一人の女性の子孫という事でほぼ決定です。なんとも物凄い壮大な話であります。

話は逸れますが、昔、大地の子エイラという本が有りました。ホモサピエンスの子エイラが、ネアンデルタール人に育てられる話でした。ネアンデルタール人との子供を産んだりして、それこそ種の起源を思わせる壮大極まりない名作です。あの本を思い返させるようなワクワクするノンフィクションでした。

さて、この本は、何故ホモサピエンスだけが生き残って、他の人類は生き残っていないのかという事が幹になっています。本当の所はその時代を見なければ分からない事ですが、何とか解き明かそうと研究と議論を重ね、次第に人類の起源に迫ろうとする人々の情念に感動します。他の原人たちがホモサピエンスに駆逐されたという証拠も無いし、各地で別々に派生した人類を置き去りに、我々だけが地球で繁栄したのは何故なのでしょうか。完全に疑問が解消する事は今後も無いのでしょうが、想像すると時間というものの不思議さ、今もどんどん過去になっていくという現実がひしひしと感じられます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年3月25日
読了日 : 2021年3月24日
本棚登録日 : 2021年3月24日

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