うつくしく、あたたかく、幸福に満ちたパリでの暮らしの描写に思わず笑顔になってしまう。ずっとこの本の中にいたかった。全編を通してそんなだとくどいな、と思ってしまうところ、急にふとそういった描写が表れるところもいい。ワインではなく「ぶどう酒」と訳されているところが好ましいし食事はいつでもおいしそうだ。実際、ヘミングウェイと妻ハドリーは貧しかったというが、そんなふうに感じさせないのはふたりの暮らしの工夫というか、どうあれば自分たちが満たされるのかを知っているからなんだろうな。
移動祝祭日とはクリスマスのように固定された祝日ではなく、イースターのように年によって異なる祝日のことをいうという。なんてすてきなタイトル、訳し方なんだろう。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2022年10月25日
- 読了日 : 2022年10月24日
- 本棚登録日 : 2022年10月24日
みんなの感想をみる