移動祝祭日 (土曜文庫)

  • 土曜社 (2016年11月1日発売)
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本棚登録 : 136
感想 : 6
5

うつくしく、あたたかく、幸福に満ちたパリでの暮らしの描写に思わず笑顔になってしまう。ずっとこの本の中にいたかった。全編を通してそんなだとくどいな、と思ってしまうところ、急にふとそういった描写が表れるところもいい。ワインではなく「ぶどう酒」と訳されているところが好ましいし食事はいつでもおいしそうだ。実際、ヘミングウェイと妻ハドリーは貧しかったというが、そんなふうに感じさせないのはふたりの暮らしの工夫というか、どうあれば自分たちが満たされるのかを知っているからなんだろうな。

移動祝祭日とはクリスマスのように固定された祝日ではなく、イースターのように年によって異なる祝日のことをいうという。なんてすてきなタイトル、訳し方なんだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年10月25日
読了日 : 2022年10月24日
本棚登録日 : 2022年10月24日

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