400年前に忍が眷属を初めて作った時の話と八九寺真宵が逝ってしまう話。江戸初期だから若干時代劇テイストが入るのかと思ったがそこは完全に忍目線で語られるのでほとんど時代劇要素はない。400年前の日本ということで自分の想像力の中でなんとなくその世界を創造するのだけど、単純に読んでる限りではまるで架空の世界のように思えてしまう。過去の世界なんてだいたいそんなものかもしれないが、話を聞いてそれをイメージ化出来ないというのはやはり語り部の問題だろう。怪異に語り部をやらさないというのは正解だと思う。八九寺の語り部は読んでみたかったが。
しかし、たしかに、まよいマイマイを読んで誰もが思ったであろう、八九寺はなぜ成仏しないで街に居続けるのかという、今までずっと棚上げされてきた疑問を、ちゃんと精算してくるとは!小説ながら現実って厳しいなー!と消沈した。最後の「かみまみた」は涙なしには読めない。未練たらたらでいなくなったことを誰にも話せないのもなんだかつらくなった。物語シリーズがだんだんと暗い雰囲気になっていく。
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- 感想投稿日 : 2013年5月6日
- 本棚登録日 : 2013年5月6日
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