「グローバリズム」という新しいイデオロギーの危うさをエッセイ風に書き連ねている本。国民国家と株式会社の発生時期が歴史的にほぼ同じで、どちらも若い概念であること。現代では国民国家と(巨大な)株式会社が激しく衝突していること。各国で採用される政治形態は、その国の伝統的な家族制度との類似性が高いこと。などを書き連ねたうえで、株式会社は出資者の利益が優先されるため、スケールメリットを最大化すべくグローバル統一基準で効率よく利益を上げようとするが、本来の会社とは地域の文化を守りながら小さくとも存続し続ける存在であるべきことを主張している。まあ、なかなか難しいところではあるけれど、どこの大企業はおかしいところは満載だし、その根源を辿ると、米国や英国の金融資本主義に行きつくのかなとも思う。(金融やITの革命は、産業革命のような物理面ではなく、認知面でヒューマンスケールを軽々と越えてしまい、社会も人間も「進化」した帰結として壊れつつある。こんなのを「進歩」だとはとても認められない)
【川崎市立川崎図書館 333.6】
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
政治・経済
- 感想投稿日 : 2015年11月16日
- 読了日 : 2015年11月16日
- 本棚登録日 : 2015年11月16日
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