――「死ぬ時は、こうして、二人一緒だよ。怖れるな。そして、俺から離れるな。火も爆弾も忘れて、おい俺達二人の一生の道はな、いつもこの道なのだよ。この道をただまっすぐ見つめて、俺の肩にすがりついてくるがいい。分ったね」女はごくんと頷いた。
力強い台詞。
人々は、生きようとする姿勢の中に美を見つけるのか、戦後の虚脱に影響を与えた。
何時の時代も読む者の心を惹きつける名文である。
同年、エッセイ「堕落論」を発表してる。
【収録作品】
・いずこへ
・白痴
・母の上京
・外套と青空
・私は海を抱いていたい
・戦争と一人の女
・青鬼の褌を洗う女
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
文庫 【小説】
- 感想投稿日 : 2010年3月27日
- 読了日 : 2010年3月27日
- 本棚登録日 : 2010年3月27日
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