お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)

著者 :
  • 光文社 (2007年11月16日発売)
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感想 : 522
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クリエイターの端くれとして「無償でもの作りをする」ことに対する議論を年に数回は耳にする機会がある。でも、じゃあ自分のお金に対するリテラシーというか、倫理観みたいなものはどうなんだろう、と考えた時に何も思い浮かばなかったのでこの本を手に取ったんだと思う。多分。
著者の勝間さんについては「一時期テレビに出ていて、結構ハッキリ物を言うさっぱりした女性」というイメージしかなかったんだけど、めちゃくちゃスゴい経歴を持っていたとは知らなかった。そして丁寧で親しみやすい文章から「教えてやる」ではなく「皆にも知ってほしい」という姿勢が感じられて好感を持てた。家電量販店とかで説明を聞きたい時、良いところだけじゃなくてダメなところもちゃんと正直に教えてくれる店員さんをホイホイ信頼してしまうタイプの人間なので、騙されないぞ!という気持ちは気付いたらどこかに消えていたし、自分も投資を始めてみようと思ってる。
この本にも書かれているけど、日本人は(自分がこの目で海外の思想と比較したことあるわけじゃないからこういう物言いもあれだけど)お金に対して慎ましくあることが美徳だ、という考え方が根付いている気がして、一番最初に書いた「無償でもの作り」もそのひとつだし、お金の話は下品、というイメージがついてたりしそうな認識はある。だからこそお金について学ぶ機会が社会科の授業でちょろっとだけ、くらいしかないし、そうなると自分で掴みに行くしか選択肢がない。
自分はこの本を読んで、投資ってのは「世界が進む未来への期待」を示すものに近いのかなと感じた。勝間さんが本書で提唱している「ドルコスト平均法」で積み上げられていく利益ってのは「世界は一歩ずつ、ゆっくりだけれど着実に良くなっている」という事実がもたらしてくれるプラスなんだろう。なんて、先月読み終えたファクトフルネスの知識と合わさって納得感のある一冊でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他
感想投稿日 : 2020年7月12日
読了日 : 2020年7月12日
本棚登録日 : 2020年7月12日

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