中学校の図書室を舞台にした連作。
それぞれ異なる悩みや思いを抱えているだけでなく、中には本好きでない子さえいる。けれど図書室という空間と司書のしおり先生が各々に優しく寄り添い、物語が明日へ導いてくれる。その明日が今よりも明るいかもしれないと希望を持たせてくれる、前向きなお話だった。
最後のちょっとした仕掛けにもまんまとやられ、なるほどそういうことだったのかと直ぐに読み返したくなる面白さもあり。本好きの私にとってしおり先生の紡ぐ言葉がどれもすっと心に染み込んできたり。
人はこうして、いくつ歳を重ねても、物語の中の登場人物に救われたり、想いを馳せたり、温かい涙を流せたりする。物語はやっぱり、私たちをどこへでもどこまでも連れて行ってくれるんだ。
2021.5.1 読了
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年5月1日
- 読了日 : 2021年5月1日
- 本棚登録日 : 2020年12月5日
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