オーラル・ヒストリー: 現代史のための口述記録 (中公新書 1636)

著者 :
  • 中央公論新社 (2002年4月1日発売)
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感想 : 16
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何度も読み返している。
Amazonの古書で購入したら、重要な部分に赤線が引いてあったのだが、それも役に立つ(それ以外は綺麗なので、なんで手放したのかな・・とはちょっと気になるけれど)

オーラル・ヒストリーは「同時代史」の記述の一つの方法である。
個人または組織の経験を、複数回(十数回以上)にわたり、専門家が2~3名で聞き取りを行う。短い期間では、意思決定のケーススタディとして、長い期間においてはその他の文書群を補完する歴史資料としての価値がある。
新書というコンパクトな形式で、「定義」「メソッド」、国内外の実例の紹介や著者自身の実践などが語りつくされている。
読んで初めて、インタビューや警察の調書、ドキュメンタリーとの違いを知った。

冒頭でも紹介される「言わず語らず」についても強い印象があった。
 語らないこと、また回答を避けることもまた重要な情報であることがよくわかる。
 文字として、あるいは映像として記録されたものをどう読み解くかについても考えさせられるものだった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年8月16日
読了日 : 2022年8月16日
本棚登録日 : 2022年8月16日

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