チルドレン (講談社文庫 い 111-1)

著者 :
  • 講談社 (2007年5月15日発売)
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本棚登録 : 35904
感想 : 2880
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家裁の調査官と少年の物語。キャラクターが可愛く、休日の午後に喫茶店で読みたくなる作品 #チルドレン

■きっと読みたくなるレビュー
家庭裁判所で少年事件の調査官である陣内、武藤を中心に、友人たちとの様々な日常や事件を描く連作短編集です。伊坂先生らしい独特の人物像とプロットで、さらに気の利いたセリフが読者にほっこりさせてくれる作品。

〇バンク
鴨居と陣内が銀行強盗の事件に巻き込まれる物語。途中、全盲の永瀬との出会いが事件解決のキーとなり… 陣内が調査官になる前日譚で、最もミステリー要素がある一編。

まさに伊坂節あふれるストーリー、強盗事件に巻き込まれているのに全編とおしてファニーな雰囲気。真相もまるで現実味がなくて好き。

〇チルドレン
万引き事件を起こした少年と調査官である武藤、陣内の物語。

難しい少年犯罪をテーマにしながらも、調査官の苦悩をあくまでライトに切り取っている。タイトルの通り「子供たち」と大人の距離を描いていて、陣内のセリフがいちいち胸に刺さりました。

〇レトリーバー【おすすめ】
陣内がレンタルビデオの店員に告白する物語。陣内の突拍子もない価値観をきっかけに、思いもよらない展開になっていく。

この作品を読むと、どれだけ自分が固定概念をもっていたり、必要以上に周りの目を気にしていたかのが分かってくる。生き方を変えるのって難しいんだけど、できるだけありのままに生きてみようって思える作品。

〇チルドレンⅡ【おすすめ】
少年の親権について離婚調停に挑む武藤、陣内の物語。ザ・伊坂幸太郎の作品、おもろい。

何歳になろうが、どんな立場になろうが、どんな状況や環境におかれようが、やっぱりクールでありたいよね。そしてなにをするにもスケールを大きくする必要はなくて、熱い想いひとつだけが大事なんだろうなぁ

〇イン
駅前のデパート屋上での物語、鴨居はじめ友人たちとの日常。本編も陣内が調査官になる前日譚。

永瀬の推理力が光るエピソード、そしてあいかわらず自分に正直な陣内が波乱を巻き起こす。なんともキャラクターたちが可愛くて、休日の午後、喫茶店でゆっくりと読みたくなる作品でした。

■ぜっさん推しポイント
本作を読んだきっかけですが、とある本関連のイベントで出会った方にガチ推しされたんですよね。おすすめしてくれた方は、自分の信条や夢に向かって生きているのが分かる、生命力が溢れる若い女性でした。お陰様で素敵な本に出会うことができました、ありがとうございました。

かなり年齢を重ねてしまった私、生活に疲れてしまうことも多いんです。ただおすすめしてくれた彼女や、本書の陣内からパワーをもらいました。まだまだ人生はこれからですよね、胸を張って生きていきたいと思ったのでした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2024年1月8日
読了日 : 2024年1月8日
本棚登録日 : 2024年1月8日

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