螢 (幻冬舎文庫 ま 3-2)

著者 :
  • 幻冬舎 (2007年10月1日発売)
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本棚登録 : 2219
感想 : 247
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蛍とはなんなのか… 梅雨の山荘に奏でられる恐怖の調べ、過去の凶悪事件が交錯する本格ミステリー #蛍

オカルト探検サークルの大学生たちが、かつて凄惨な事件が発生したいわくつき山荘を訪れる。怪しい山荘で一晩を過ごすと、過去の事件と同じ殺害状況で死体が発見される。雨は降り続け、街とつながる唯一の橋が崩れてしまい…

この小説は情景描写が美しい!
梅雨のじめっとした感じ、山荘の暗澹たる雰囲気、惨殺事件の狂気、怪しく神秘的な音楽と蛍。あー旅行に行きたい。山荘じゃなく、南の島がいいな。

お話としても有り体な背景ストーリーではありますが、しっかり組み立てられており興味深く読み進められます。登場人物も背景や個性が際立っており、なかなか強烈でGOOD。
ラストなど、いくつかあえてぼやかしている点もあるのですが、本作の特徴にあっていてこれもまた素敵だと思いました。

どうもこの小説は、ある点が分かりづらいというか、あえてそうしているのか?と思ってましたが、やはりそういうことですか。なるほどなるほど。
もう1つのトリックはわかんねーよ。しかし今までに見たことのない仕掛けでした。なお殺人事件の真相はかなり巧妙で、しかも納得性も高い。結局二度三度騙されました。

少し残念な点としては、序盤に説明や背景描写が多くて没頭度が低い点。このミステリーの設定上、仕方ない点もあるんですがもう少しすっきり整理できるのではと思ってしまいました。ただ中終盤からは、怒涛の展開が待っていますのでご安心を。

情景豊かなミステリーを読みふけってみたい人には超おすすめです!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本格ミステリー
感想投稿日 : 2022年3月13日
読了日 : 2022年3月13日
本棚登録日 : 2022年3月13日

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