本書に従うならば、ヤンキー的スタイルが日本のマジョリティなのは当然のことである。なぜなら、筆者も言うように、丸山真男が古事記の中に発見した「つぎつぎになるいきほひ」、主体的な作為もなくただボコボコとなすがままにいろいろなものが産まれ出てきてしまう「イマココ」の連続、を継承するものこそ、「気合とアゲアゲのノリさえあれば、なんとかなるべ」というヤンキーの意識だからだ。
制度としての伊勢神宮や天皇の代替りは、「(存在しない)起源への帰還」の擬制であるが、ヤンキーもまた、逸脱→逸脱の様式化→さらなる逸脱→様式化→…と続く果てのない(たどり着くべき理念の存在しない)運動を続ける。
ヤンキー文化は、日本文化の形式を正しく受け継いでいるというわけだ。
その他、ヤンキーとアメリカ文化の関係や、ヤンキーとは「父性的価値観を母性的方法で表現したものだ」という説明など、なかなか面白かった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
歴史・民俗
- 感想投稿日 : 2014年3月10日
- 読了日 : 2014年3月10日
- 本棚登録日 : 2014年3月9日
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