雑食動物のジレンマ 上──ある4つの食事の自然史

  • 東洋経済新報社 (2009年10月23日発売)
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トウモロコシは他の植物とは違う光合成をおこなう。効率がいい。普通は炭素が3つの有機物をつくるが、トウモロコシは4つの炭素を含む有機物をつくる。=C4植物=光合成の効率がいい。水分の損失を抑えつつ、炭素を同定する。
トウモロコシのF1種は収穫量が多くなる。その代わり毎年同じ種を買わなければならない。
トウモロコシは育てやすく、価格が下がっても作付面積を増やして補った。
ハーバーボッシュ法による肥料のおかげ。それまでは、マメ科植物の根の細菌か、雷のエネルギーで固定化された窒素しかなかった。
肥料にかかるエネルギーを考えると、1カロリーの食料をつくるのに化石燃料を1カロリー以上使っている。
ハーバーボッシュ法は生態系を変えた。

農場では、129人分の食料をつくるが、その収入だけでは家族を支えられない。補助金にたよっている。

アメリカ人の体はトウモロコシからできている。トウモロコシから作った糖を含む。C13の量が多い。
コーンは、あらゆる粒を表す単語。コーンビーフも塩の粒漬けの肉、という意味。
トウモロコシは奴隷を買う時の通貨、食料にもなった。奴隷売買にも不可欠なもの。原資本主義的な植物。

ニューディール政策の農業調整法は、トウモロコシの余剰を調整するためのもの。
収量があがると価格が下がる。自由市場の原理では農業は機能しない。食料の需要は弾力的ではなく、生産も抑えられない。トウモロコシは興行的食物連鎖の一番下にいる。トウモロコシと大豆は大半は肥料になる。ほかの作物は買い手がいない。

ソロー「人げな自ら作り出した道具の道具になってしまった」

p79

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 教養
感想投稿日 : 2021年1月18日
読了日 : 2023年2月9日
本棚登録日 : 2023年2月9日

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