シリーズ第七弾。
今回平九郎に依頼してきたのは、芝居小屋「濱村屋」の若き主人・二代目吉次。
経営が苦しい「濱村屋」は、スター役者・中村富三郎を擁する「天王寺屋」と“芝居合戦”をする羽目になっていて、その合戦の裏には何か黒い思惑が見え隠れ・・。
さらに「濱村屋」は“くらまし屋“メンバー・赤也の古巣だった事が判明します。赤也は己の過去と向き合い、乗り越えていけるのでしょうか・・・。
と、いう事で、今回は赤也メインの巻です。彼の過去と、“くらまし屋”に入った経緯が書かれています。
古巣のピンチを救う為、そして己の過去(父)と決着をつける為、舞台に立つ決意をする赤也。
仲間を慮って、一人で行動しようとするのですが、平九郎と七瀬が放置するわけないですよね。結局赤也を全力バックアップする二人。このチームワークが素敵です。
赤也を“くらまし屋”と見抜いた、切れ者道中同心の篠崎瀬兵衛(本当、この人は敵にしたくないですね。良い人だけに余計そう)に危うく捕縛されそうになったり、「虚」からは怪力・九鬼断蔵がたちはだります。平九郎と九鬼の闘いはもうハラハラもので手に汗握りました。
ラストは赤也が圧巻の舞台を見せてくれて痛快でしたし、此度の件で仲間の絆が深まった気がします。
あと、今回「虚」の刺客の一人・阿久多が芝居好きで自分が好きな芝居役者を害するのを拒んだ下りが意外と彼(彼女?)にも矜持があるのだな。と感心した次第です。炙り屋もそうですが、こういういい意味でのプライドがあると思うと彼らを憎めなくなりますね。
とはいえ、彼らは強敵ですので、平九郎達に戦力の補強があればよいのは勿論です。平九郎のお師匠が見つかって力になってくれればいいのになぁと思った次第です。
- 感想投稿日 : 2021年8月19日
- 読了日 : 2021年8月19日
- 本棚登録日 : 2021年8月19日
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