帯に『あなたは5回騙される』とあったけど、確かにその通り。別々のストーリーの4つの短編でそれぞれ騙されて、最後の『究極の選択』で大どんでん返し。こんな騙され方があるんだ!という感じ。
終盤はパズルのピースが次々とはまっていくように、全ての疑問が思わぬ形で見事にはまっていくのはとても気持ちよかった。
ミステリーだけど、殺人も死体も出てこないのも新鮮。どちらかというと命を救うことに関連したミステリー……それって珍しい。
テーマはとても重くて考えさせられる。『人間の命は動物の命より重いのか』『動物の臓器を移植したら、人間ではなくなるのか』医学が進歩し死ぬはずの命も助かるようになって、人間はもっともっとと欲張って長生きする方法を求めていくようになってしまった。考えるだけでなくて技術の進歩で実現できるようになって、人間の長生きへの渇望はエスカレートしている。
昔なら仕方ない…と諦めていた状態でも、それが違法で倫理違反であっても助かる方法があるばかりに、患者や家族は悩まされることになるのだなぁと思った。
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- 感想投稿日 : 2023年8月15日
- 読了日 : 2023年8月15日
- 本棚登録日 : 2023年8月8日
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