希望が死んだ夜に (文春文庫 あ 78-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (2019年10月9日発売)
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神奈川県で中学生の春日井のぞみが首をつられた状態で見つかり、その場にいた同級生の冬野ネガが捕まる。ネガは自分が殺したと主張するがその理由は頑なに喋らない。

謎を突き止めるために捜査一課の真壁と生活安全課の仲田は協力することになる。

テーマは「貧困」、以前生活保護をテーマにした柚月裕子「パレートの誤算」を読んだが今作は貧困家庭に育った子供がどのような思考回路になるんだろう、とか生活保護に対しての思考とかが描かれており大変興味深かった。僕の思考回路からは生まれないであろう発想、結論などがあった。

冬野ネガは貧困家庭に育った子、一方春日井のぞみは吹奏楽でフルートも上手なお嬢様。ネガの妬みがのぞみを殺したのか!? ストーリーが進むにつれてどんどん明るみになっていく事実。

最初から最後までテーマが貫かれており、よくできていた。真相には涙が出そうになった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年6月27日
読了日 : 2022年5月27日
本棚登録日 : 2022年5月27日

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