傲慢と善良

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2019年3月5日発売)
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感想 : 956
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ふとした時に本書の強いメッセージに触れたいと思ったため、再読しようと思い、手に取りました。実際は文庫本の方を手に取ったのですが、帯にはなんと映画化決定の文字が……正直驚きです。色んな人に刺さったであろう本作が、映像化され届けられることになるとは思いもよらなかったです。完成度がとにかく気になるところですね。

さて前置きはこれくらいにして、本作のストーリーはマッチングアプリで知り合った架と真実。その2人は晴れて結婚することになるが、結婚直前になり、真実がストーカーの存在を匂わせるとともに失踪してしまう。架は心当たりがないか、両親や友人、結婚相談所といった花嫁の関係者を訪ねる。果たして、誰が何の目的で花嫁をさらったのかというストーリー。

ミステリー感のある導入であるにも関わらず、ストーリーが進んでいくとズシズシと心に刺さる名言のオンパレードで、正直読み進めるのが億劫になるシーンも多々あります。特に、小野里さんとのやり取りや、金居さんとのやり取りに垣間見える、「傲慢と善良」というキーワード。このキーワードに自分の「善良」な人生の中で育ってしまった「傲慢」さを指摘されたようですごくハッとさせられました。

すごい余談ではあるのですが、私もマッチングアプリを使用したことがあり、知り合った人に「オススメの本ありますか?」と聞かれて、本作を勧めたところ、見事に相手の人に「なんて本を勧めるんだ!」と怒られました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年3月16日
読了日 : 2024年3月16日
本棚登録日 : 2024年3月16日

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