父親になるってどういうことなのだろうかととても考えさせられるような作品でした。
物語は38歳の主人公がリストラや妻との離婚調停、息子の引きこもりを経験し、人生に絶望した時、とあるワゴン車に出会うところから始まります。
そのワゴンを運転しているのは、事故で不幸にあい、現世に未練を残している親子。その親子は主人子を過去の大きな分岐点に連れて行ってくれます。その分岐点ではなぜか、その時代にはいるはずもない38歳の父親もいて…というお話。
父親という役割は子どもが産まれた瞬間から始まる、ある意味特殊な経験のように思います。そして、小さい頃に見た親の背中というのはどこか大きく頼もしく見えてしまいがちで、そのギャップに悩む人も多いのではないかなとも思います。
本作はそんな父親としての未熟さを優しく肯定してくれるような作品であると思いました。未熟であっても、自分の考えや意見を押し付けるのではなく、妻や子どもを1人の人間として尊重し向き合うこと、その大事さを本作で感じました。
最近、親友に子どもが産まれたこともあって、親友も父として、頑張ってるんだろうなと想像すると少し微笑ましくなりました。私も父親になり父親として行き詰まった時に、本作をもう一度広げたいと思います。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年8月19日
- 読了日 : 2023年8月19日
- 本棚登録日 : 2023年8月19日
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