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これは怖い。自然が怖い。人間が怖い。
タイトルからも想像がつくし、カバー後ろのアブストラクトを読めば、登場人物たちが物語の中で大型台風に巻き込まれるのは明らかなのだが、それだけに、序盤に次々と描かれる彼らの日常の描写が、正に嵐の前の静けさといった趣で不安感を煽り、まず怖い。まだ台風が近づいてきたばかりなのに、死亡フラグもなくあっけなく逝ってしまう人物が何人かいて、この後もっと大変なことが?と想像してしまい怖い。大型台風の脅威に危機感を抱けない人間が沢山いて怖い。その巻き添えになることを想像するとやるせなくて怖い。そもそも人が吹っ飛ばされるほどの強風が怖い。何よりも、台風とは全く関係なく頭のおかしな人間たちが怖い。そしてこの作者は恐い話が上手い。もう少しアクション部分の描写がわかりやすいとなお良かったのだが。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年5月16日
- 読了日 : 2013年5月16日
- 本棚登録日 : 2013年5月15日
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